アロエには,アロエベラとキダチアロエの他,医薬品として用いられるケープアロエがあります。 日本でよく見かけるのはキダチアロエで,古くから「医者いらず」と呼ばれ,けがややけどの民間薬として使用されていました。
便通改善の成分は葉皮に含まれるアロインですが,アロエベラやケープアロエの主に葉皮に含まれるアロインは日本では医薬品の扱いになっています。
したがって薬事法の規制上,アロエベラやケープアロエを扱う場合,健康食品では皮を除いた葉肉が利用されます。
アロエベラに含まれるゼリー状の果肉部分には,ムチン,アロエマンナンが豊富にふくまれています。
ムチンはたんぱく質分解酵素を多く含み,たんぱく質の消化吸収を助け,消化不良を防ぎます。
また消化器・呼吸器の粘膜を保護して胃炎や胃潰瘍などを予防します。
アロエマンナンには,抗がん作用,肌の老化防止作用,中性脂肪低下作用などがあります。
臨床試験では,糖尿病患者にアロエベラを42日間投与したところ,血糖値と中性脂肪値が低下したと報告されています。
動物実験では,胃粘膜保護作用,抗炎症作用,抗糖尿病作用,肝臓保護作用,抗がん作用,抗酸化作用などが報告されています。
また,キダチアロエは薬事法の規制を受けず,葉皮,葉肉の両方が健康食品として利用できます。
キダチアロエの粘液に含まれるアロエウルシンは抗潰瘍,抗炎症作用があり,胃潰瘍などの消化管の粘膜を保護し,修復を早める効果があります。
キダチアロエの葉皮に含まれるアロインの主成分であるバルバロインは,下剤成分でもあり,便通を改善します。
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