1970年代に行われた調査では,北極圏で生活するイヌイットには心筋梗塞や動脈硬化が少ないことから彼らの食生活が研究され,魚やアザラシの脂肪に含まれるEPAに心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ働きがあることが明らかになりました。
EPAには血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし,血栓ができるのを防いで,血液の流れを良くする効果があります。
EPAは血液の粘度を低下させ,赤血球の変形能力を高め,血流を改善します。
そのような効果から動脈硬化を抑える作用があることが確認され,EPA摂取により,動脈硬化が原因となる心筋梗塞や脳梗塞を予防に役立つことがわかっています。
さらに臨床試験のでは,中性脂肪の低下,動脈の肥厚の改善,血圧の低下などが報告されています。
認知症患者に対する投与では,症状の改善が,またうつ病にも効果があるとの報告がなされています。
また,痛みのもとになる炎症性物質である,プロスタグランジン,ロイコトリエンなどの産生を抑制し,生理痛などにも効果があります。
EPAは肌への油分補給効果があり,乾燥肌や敏感肌が改善されるだけでなく,アトピー性皮膚炎など皮膚炎を予防する効果があります。