■ 呼吸時に発生
人のからだは,体内に吸収された食物を呼吸で得た酸素で酸化してエネルギーを得ています。この過程でどうしても活性酸素が発生することは避けられません。
私たちのからだは,細胞内のミトコンドリアという器官でエネルギーを生産しています。そこでは,ブドウ糖から酸素へと電子が受けわたされるという酸化還元反応により,エネルギーが発生します。
ここで使われた酸素は電子を4個受け取ることによって,最終的に「水」 と「二酸化炭素」 に還元されますが,この過程で一つしか電子を受け取れなかった酸素がスーパーオキシドすなわち活性酸素で約 1〜2%の酸素が活性酸素になると言われています。
■ 紫外線・化学物質・炎症で発生
活性酸素は呼吸による酸化反応以外でも発生します。たとえば皮膚にあたる紫外線は,活性酸素を発生させ,DNAを損傷させ,老化を促進させるとともに,皮膚がんの原因にもなります。
活性酸素は化学物質の影響でも発生します。タバコの煙は体内で活性酸素を発生させますし,多くの食品添加物は肝臓で分解されるときに活性酸素を発生させると言われています。
また,白血球は体内に侵入した細菌に対して,活性酸素を発生させ,攻撃します。しかし,本来は細菌などの異物に対して向けられた活性酸素が,付近の細胞にもダメージを与えてしまいます。これが炎症とよばれる症状の原因にもなっています。
肝炎や胃炎,アトピー性皮膚炎は活性酸素による刺激も原因の一つとして考えられており,この慢性的炎症は時にDNAの変異をもたらし,がんの発症へとつながることもあります。
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