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アンチエイジング対策
動脈硬化予防とサプリメント摂取 |
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性機能が衰えるとはどのようなことを言いますか |
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■
ED(勃起不全),精子の減少
加齢にともなう性機能の低下は男女ともにおこりますが,特に顕著で問題となるのは,男性の性機能の低下です。
ここでいう男性の性機能の低下には勃起不全(ED)や精子の製造能力の低下などがあります。
特にこの勃起不全(ED)は精神・心理要因にも大きな影響を受けますが,加齢による勃起不全(ED)は主にホルモンの低下や血管の動脈硬化によるものが大きいと考えられます。
この勃起不全で悩む人は多く,現在40代の20%,50代の40%,60代の60%がEDであるというデータがあります。
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●勃起のプロセス
勃起のプロセスを簡単に説明すると,視覚や触覚などで脳が性的に興奮すると,その信号が脊髄から骨盤神経に伝達されます。
そして,その信号がペニスの勃起神経に伝わると,勃起神経の末端から一酸化窒素が放出され,cGMP(サイクリックグアノシン1リン酸)というペニスの血管を広げる神経伝達物質が分泌されます。
そこで海綿体の中に大量の血液が流入し,海綿体が膨張し,勃起するというわけです。
さらに陰茎海綿体の周囲にある白膜が静脈を圧迫し,血流を一時的に止めることで勃起が維持されるのです。
ところが,cGMPが十分につくられなかったり,cGMPを分解する酵素(PDE−5)がすぐに出てしまうと勃起が十分におきず,EDとなるのです。
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老化するとなぜED(勃起不全)になるのでしょうか |
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■ 加齢による男性ホルモンの減少
老化にともない誰でもホルモンはの分泌が減少していきます。それにともない,性欲や性的興奮が少なくなっていくということがあります。
また,ホルモンの減少はそれだけではなく,勃起の血液流入に必要な一酸化窒素の分泌をも減少させます。
この一酸化窒素が減少するとペニスの血管を拡張するcGMPの分泌も低下し,EDとなるのです。
勃起時にはこの一酸化窒素が出続けるのですが,この量が少ないと勃起時間が短かったり,勃起しないことがあります。
近年,男性にも更年期があることが解明されてきています。
とくに男性更年期障害患者の9割にED(勃起障害)があることから,男性ホルモンの減少はEDに大きな影響を与えていると言えます。
■ 加齢による血管の動脈硬化
動脈硬化とは動脈がコレステロールの酸化作用の蓄積などによって,硬く,内部が狭くなる状態を言います。
動脈硬化は血管を狭くし,血流量を低下させます。すると海綿体に流入する血液量も減少し,EDとなるわけです。
また,喫煙などは動脈硬化を促進させるため,喫煙者はEDがおこりやすくなるといえます。
■ 加齢以外のED(勃起不全)の原因
●ストレス
ストレスは大量の活性酸素を発生させ,コレステロールの酸化を促進させ,動脈硬化を促進させます。
また,ストレスは男性ホルモンの分泌も低下させます。 このストレスによるホルモンの減少により,一酸化窒素の発生量が減少しEDが起こりやすくなると考えられます。
●糖尿病
糖尿病に伴ってEDの発生原因は2点が考えられています。1つは神経系への影響で,もう1つは血管系への影響です。
血糖の高い状態が長期間続くと,勃起に関わる神経線維の減少,神経内の低酸素状態が起こることが報告されています。
すると,陰茎の感覚が鈍くなり,陰茎海綿体の神経に障害が起こったりします。
また,糖尿病の影響により,陰茎動脈の血流が悪くなり,勃起障害が発生します。
糖尿病性ED患者の80%に血管障害が認められたという報告もあります。
●その他の原因
高血圧,高脂血症,心臓病,うつなどの病気によってもEDになりやすくなります。
また,直腸,膀胱,前立腺がんなどの切除手術で神経繊維が切断されたり,損傷したりしても脳からの信号が伝わらず,EDになることがあります。 |
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どうすれば勃起不全(ED)を治せますか |
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■ EDのアンチエイジング対策 その1
抗酸化サプリメントを摂取しよう
EDの主な原因に動脈硬化があります。これは酸化されたコレステロールをマクロファージが取り込み,死んで血管壁に堆積することで起こります。
コレステロールが酸化されなければ,マクロファージに取り込まれることは起こらず,動脈硬化は進みません。
前述した様に,動脈硬化は血流量の低下を招き,EDの原因となります。
したがって,この動脈硬化を予防することが,EDの予防にもなるということです。
ここで,ED予防のために考えられる対策は血液中の活性酸素を除去し,酸化コレステロールを減らすことです。
●ビタミンE,C,B2
ビタミンEは,その抗酸化作用により,この血管壁の細胞膜が酸化されるのを防ぐことができます。
また,血液中の脂肪の幕に覆われたコレステロールの酸化も防ぎ,動脈硬化を予防します。
さらに,ビタミンEは性ホルモンの分泌を盛んにし,生殖能力を高めるはたらきもあります。
ビタミンCは抗酸化作用があり,酸化されたビタミンEを還元させ,活性化させるはたらきがあるため,ビタミンEとの併用は効果的です。
ビタミンB2は抗酸化酵素の補酵素として働き,過酸化脂質の分解を促進させ,動脈硬化の改善に効果的です。 |
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■ EDのアンチエイジング対策 その2
亜鉛を摂取しよう
亜鉛はタンパク質やホルモンの合成など,多くの新陳代謝にかかわっています。
亜鉛は精液中に高濃度に含まれ,亜鉛不足が生じるとホルモン生成能力が低下します。
さらに,活性酸素を除去する抗酸化酵素「スーパーオキシド・ジムスターゼ(SOD)」は亜鉛が重要な構成成分になっています。
すなわち亜鉛は間接的に活性酸素を除去するはたらきがあります。
私たち日本人は慢性的に亜鉛が不足しており,高齢になるほど,亜鉛の吸収率は低下します。
亜鉛はカキの他,牛や豚のロース,豚レバーなどに多く含まれるため,これらを摂取することは性能力の低下を抑えるということになります。
亜鉛の摂取基準は成人男性8〜9mg,成人女性は7mgとされ,ビタミンCと共に摂取することで,吸収率もアップします。 |
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■ EDのアンチエイジング対策 その3
精力増強サプリメント
精力増強サプリメントは医薬品と異なり,長期連用することで効果を発揮します。
●ノコギリヤシ
ノコギリヤシは北米南部に広く分布しているヤシ科の植物であり,この果実抽出液がサプリメントとして販売されています。
ノコギリヤシは前立腺肥大を抑制し,頻尿や排尿困難などの症状を改善するサプリメントとして知られています。
加齢とともに男性ホルモンのテストステロンはジヒドロテストステロンに変換される割合が多くなり,このような前立腺肥大が起きます。
ノコギリヤシに含まれる脂溶性の成分は,テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する酵素のはたらきを阻害し,前立腺肥大の予防だけでなく,EDにも効果を発揮します。古くからアメリカ先住民の間では強壮剤として使われていました。
●マカ
マカにはアミノ酸,ビタミン,ミネラル,生理活性物質が含まれ,ホルモンの分泌を促進します。そのため,精力増強に効果があります。
マウスを使った実験でも勃起障害を持つマウスの交尾回数の増加や性行動の促進が確認されています。
●ヨヒンベ
ヨヒンベとは,アフリカの野生の樹の樹皮からとれるエキスであり,インポテンツ治療薬であるヨヒンビンの原料として知られています。
ヨヒンベの樹皮に含まれる塩酸ヨヒンビンには勃起中枢を刺激して,陰茎海綿体に血液を送り,男性機能を高める働きがあると言われています。
ただし,まれに,高血圧などの副作用がおこる場合がありますので,血圧の高い方は注意しましょう。
● 鹿茸(ろくじょう)
鹿茸は雄鹿の幼角であり,古くから滋養強壮のための漢方薬として珍重されてきました。
IGF-1(インシュリン様成長因子ー1)は成長ホルモン(HGH)が肝臓で代謝されて作られる物質で,若返りや精力増強に効果があります。
近年,この鹿茸には,このIGF-1が豊富に含まれているため,EDや精力増強に効果があるということが解明されました。
ただ,身体を温める作用が強く,高血圧などの人のは注意が必要です。 |
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■ EDのアンチエイジング対策 その4
安全性の高い医薬品を処方してもらおう
1998年にEDの治療薬としてバイアグラがアメリカで認可され,翌1999年3月には日本でも認可されています。
その後2004年にはレビトラ,2007年にはシリアスがED治療薬として発売されています。
これらの医薬品はcGMP(サイクリックグアノシン1リン酸)というペニスの血管を広げる神経伝達物質を分解する酵素をブロックし,血液の流入を増加させるというメカニズムを持っています。
これらの医薬品は内科または泌尿器科で問診だけで処方してもらうことが可能です。
また,健康食品と比較して即効性も期待でき,効果も大きく,安全性も比較的高いといえるでしょう。
しかし,頭痛,顔のほてり,めまいなどの軽い副作用が現れることもあり,狭心症の薬を使用している人には処方できないなど,注意が必要なため,医師とよく相談してください。
また,インターネット上で販売されているED治療薬は半数が偽物という情報もあり,医師から処方されたものを使用しましょう。
糖尿病などのケースではこれらの薬でも,効果がはっきりとでないこともあり,その場合,陰茎海綿体への注射による血管拡張薬の投与という治療やプロステーシスと呼ばれる,棒状のシリコンを埋め込む手術もあります。
●バイアグラ
性行為の1時間前に飲むことが必要で,1日1回,24時間以上あけて飲む必要があります。
脂ものを食べた後は吸収が悪くなることもあります。軽い頭痛や消化不良,顔のほてりなどが現れることがあります。
青みがかって見えるなどの視覚障害があらわれることもあるため,服用後3〜4時間は車の運転は控えたほうがよいでしょう。
●レビトラ
内服後30分で効果を発揮します。食事によって吸収率は変わりません。1日1回,24時間以上間をおいて飲む必要があります。
軽い頭痛や消化不良,顔のほてりなどが現れることがあります。
●シリアス
内服後効果がでるまでに約1時間〜2時間かかりますが,36時間以上効果が持続するというメリットがあります。また,食事の影響も受けにくく,服用のタイミングを図る必要がありません。
1日1回24時間以上あけて飲む必要があり,軽い頭痛や消化不良,顔のほてり,筋肉痛などが現れることがあります。
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