肌のアンチエイジング
  紫外線予防サプリメントスキンケア
CONTENTS
人はどうして老化するのか
何によって老化は進むのか
活性酸素とアンチエイジング
抗酸化成分
デトックス
加圧トレーニング
水素によるアンチエイジング
プラセンタ療法
アンチエイジングメニュー
サプリメント事典
最新美容アンチエイジング
脳の機能低下を防ぐには
耳の聴力低下を防ぐには
目のアンチエイジング
脱毛を予防するには
歯の健康を保つには
肌の衰えを防ぐには
血管の老化を防ぐには
免疫力低下を防ぐには
骨の老化を防ぐには
性機能の衰えを防ぐには





老化した肌はどのようになるのでしょうか。

 
肌にハリが無くなり,シワが増え,さらに水分が失われ,メラニン色素の沈着などが起こります。

 老化が進むと真皮層の肌にハリを与えるコラーゲンやエラスチンの量が減少し,肌はたるんでハリがなくなります。それとともにシワがよってきます。

 水分も,皮膚から失われ,次第にカサカサするようになってきます。さらに肌細胞を作り出す力も衰え,肌も薄くなっていきます。

 このような結果,人は25歳ごろから小じわができはじめ,それが年とともに深く,大きくなり,その数も増えていきます。

 このように肌が乾燥しがちになるのは,角質層に存在する3つの成分「天然保湿因子(MMF)」「セラミド」「皮脂」が減り始め,水分が蒸発しやすくなるからです。

 また,代謝の低下により,メラニン色素が沈着し,シミなどが目立つようになり,その大きさ,濃さ,数が年とともに増していきます。


  



何が原因で肌は老化するのでしょうか。


紫外線,活性酸素,ホルモンの低下などが肌の老化を促進させます。

  紫外線
 

 肌を老化させる,肌にとっての一番の大敵は紫外線です。
肌の老化の8割はこの紫外線によるものと言われています。

 これは光老化(フォトエイジング)と呼ばれています。紫外線の種類としては,波長の長いものからUVA,UVB, UVCがあります。 簡単に説明すると以下のようになります。
  
←波長が短い       波長が長い→ 
X線・UVC・UVB・UVA・可視光線・赤外線
    

 若々しい肌の真皮では,網目状のコラーゲン(膠原繊維)にエラスチン(弾性繊維)が絡みあっていて,バネのようなハリを肌に与えています。

 ところがこの紫外線の中で,特にUVAは肌の真皮にまで到達し,肌のはりを保っているコラーゲンとエラスチンという2つの繊維を壊す酵素を増やしてしまうのです。

 さらに,保湿成分であるヒアルロン酸をも破壊します。その結果,これらの繊維の変性や水分不足により,皮膚は弾力をなくし,シワがふえることになります。

 また,長い期間,多量の紫外線を浴び続けると,肌細胞に傷がつき,メラニン色素が作り続けられ,メラニンの排泄がうまくいかなくなり,シミの原因になっています。これにはUVBとUVA両方が関わっています。

 近年の研究により,目から入る紫外線により,脳が刺激を受け,体全体に過剰メラニンを発生させることが分かってきました。


 
活性酸素
 
 紫外線とともに肌を老化させるものとして,活性酸素があります。
この活性酸素は紫外線によっても発生し,コラーゲン,エラスチンの分断,変性に拍車をかけます。

 活性酸素はストレスや喫煙,食品添加物の多い食事でも発生し,この活性酸素により,肌の細胞が破壊されたり,
酸化されたりすると,コラーゲン繊維が固くなるなど,肌が弾力を失います。

 また,シミとは異なり,年をとり自然にできる老人斑も,体の脂質が活性酸素などにより,酸化され生じると言われています。

 特に喫煙は,大量の活性酸素を発生させるだけでなく,動脈硬化をはじめ,血管を老化させ,血流を悪くし,細胞の老化を促進させることになり,アンチエイジングの大敵です。



  ホルモン分泌量の低下
 

 成長ホルモンは,人が成長するときだけでなく,若さを保つ重要なホルモンであることが近年の研究で明らかになりました。「何によって老化はすすむのか」参照

 この成長ホルモンは20代後半から減少しますが,この成長ホルモンには繊維芽細胞成長因子(FGF)と表皮細胞成長因子(EGF)とがあり,コラーゲン合成や表皮細胞の再生を促進させます。

 この成長ホルモンの分泌の減少により,ハリがなくなり,シワが目立つようになります。

 この成長ホルモンは,睡眠中分泌されるため,睡眠不足はこの成長ホルモン分泌を抑えてしまい,肌の老化が進みます。

 したがって,睡眠不足も肌にとっては老化の大きな要因となりますので,十分な睡眠をこころがけましょう。


 女性ホルモンも同様に20代後半から減少しはじめ,特に更年期では女性ホルモンの分泌の大幅な低下により,代謝の低下を招き,コラーゲンの生成も減少します。
 

antiaging-skin



肌のアンチエイジングに必要な方法を
教えてください。

紫外線から肌を守る
ビタミンCを摂取する
β−カロテンを摂取する
ビタミンA美容液を使う
ヒアルロン酸サプリメントと美容液を使う
コラーゲンを摂取する
亜鉛を摂取する
美容機器を使う
美容外科で最新治療を受ける
ホルモン補充療法を受ける


 
 肌のアンチエイジング対策 その1
  
紫外線から肌を守ろう

 
 晴れた日だけでなく,曇りの日やガラス越しの室内でも紫外線は差し込みます。

 特に紫外線の中でUVAは波長が長いため雲や窓ガラスも通り抜け,肌の真皮にまで到達し,老化を促進させます。

 室内はカーテンで遮光し,外出時には,つばの広い帽子,おおきめのサングラスで予防しましょう。紫外線は朝の9時〜15時までがピークと言われています。

 今は,効果的なサンスクリーン剤が販売されており,有効に活用しましょう。 日常生活ならSPF20(UVBカットレベル値),PA++(UVAカットレベル値)で十分です。

 サンスクリーン剤の成分には紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類があり,紫外線吸収剤は肌荒れの原因にもなることがあり,毎日使用するなら吸収剤不使用(ノンケミカル)の方が安全です。

 また,パウダーファンデーションはそれだけである程度紫外線をカットしてくれますし,アレルギーもおこしにくいため,女性ならパウダーファンデーションとサンスクリーン剤の併用をおすすめします。




 
 ■ 肌のアンチエイジング対策 その2
   ビタミンCを摂取しよう

 ●
ビタミンCサプリメント
 
 
ビタミンCの優れている点は水溶性のため,脂溶性のビタミンAやビタミンEなどと異なり,体外に排出されやすいため,過剰摂取になりにくいことです。

 ビタミンCは抗酸化物質として,肌に有害な活性酸素から細胞を守るだけでなく,肌のハリにかかせないコラーゲン生成を助ける作用があります。

 また,ビタミンCはメラニン色素を合成する酵素のはたらきを抑制し,シミができるのを防ぐ,美肌効果もあります。

 さらに,抗酸化成分であるビタミンEが酸化されるとそれをもとにもどすという,酸化されたビタミンEの機能を回復させるはたらきもあります。

 また,ビタミンEも脳下垂体や副腎皮質ホルモンの分泌を促し,血行をよくして,皮膚の老化を防ぐという効果があり,ビタミンCと併用するとよいでしょう。

 
 アンチエイジングを目的とするなら毎日1000mg程度はほしいところですが,体外に排出されやすいので,何回かに分けて摂取した方が効果的です。


 ● ビタミンC配合美容液
 
 肌へのより大きな効果をねらうなら,サプリメントだけでなく,美容液で直接肌へビタミンCを吸収させることも必要です。

 これまで,ビタミンCは皮膚へは吸収されにくく,すぐに酸化されるという不安定な成分でもあり,そのまま皮膚につけてもあまり効果は期待できませんでした。

 そこで,登場したのがビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体はビタミンCの安定性と肌への浸透力があり,水溶性と脂溶性のビタミンC誘導体があります

 ビタミンC誘導体は,角質層の奥まで浸透しそこでエステラーゼという酵素によって再びビタミンCに戻ります。

 すなわちビタミンC誘導体よって,今まで肌に良いとされながらも肌の奥まで浸透できなかったビタミンCが肌の奥にまで浸透でき,そこでコラーゲン生成など,その効果を発揮きるようになりました。

 水溶性ビタミンC誘導体は,ローションタイプの化粧品に多く,浸透力は純粋なビタミンCに比べ,約 8倍あり,真皮では,12時間以上の効果が持続するといわれています。

 
脂溶性ビタミンC誘導体は,クリームやジェルタイプの化粧品に多く,浸透力で上記の水溶性ビタミンCの3倍あり,24時間以上効果が持続するといわれています。

 水溶性ビタミンC誘導体は,イオン導入器と併用することでさらに浸透力が数倍から数十倍になるといわれています。

 




肌のアンチエイジング対策 その3
   
β−カロテンを摂取しよう

 β−カロテンは抗酸化作用で,活性酸素から細胞を守り,体内に吸収された後,必要な分だけビタミンAに変わるため,過剰症の心配はありません。

 β−カロテンはビタミンAとして変換されると,肌の新陳代謝を活発にし,皮膚の角化を抑制し,滑らかでうるおいのある肌を作ります。

 また,ビタミンAとして変換されなかったβ−カロテンは抗酸化作用を発揮し,紫外線で皮膚に発生した活性酸素を消去することで,シワやシミも予防します。

 サプリメントとして摂取する場合,ビタミンAではなく,β−カロテンとしてとったほうが,過剰症の心配がありません。

 また,サプリメントだけでなく,βカロテンを豊富含むにんじんジュースや緑黄色野菜ジュースなど摂取したほうが,ミネラルなどその他の成分も吸収できるのでおすすめです。





 肌のアンチエイジング対策 その4 
 
  活性型ビタミンA美容液でアンチエイジング
 
 
ビタミンAは,体内ではレチノール・レチナール・レチノイン酸といった3種の活性型で作用しています。

 このなかで,特にレチノールやレチノイン酸が肌のアンチエイジングに有効であるとして,美容液などに配合されるようになりました。
 

 ● レチノイン酸配合美容液
  
 レチノイン酸は基底細胞の細胞分裂を早め,表皮細胞を増やす働きがあり,さらに分裂した表皮細胞にも働いて,水分を保つヒアルロン酸などの成分を増やすことで,肌をみずみずしく,ふっくらとした状態にします。

 また,古くて保湿力の衰えた角質を取り去り,小ジワを消すという効果もあります。

 真皮の細胞にも効き,コラーゲンをも増やし,光老化で変性したエラスチンを消去することで,ハリのある肌をよみがえらせることができる優れた効果があります。

 しかし,効力が強い反面,副作用もあり,皮膚炎症が起こり,肌が赤くなることもあるため,注意が必要で,日本では市販薬として認可されていません。

 したがって,医師でしか処方できない医薬品なので,医師の自家調合剤を使用するしかありません。


 ● レチノール配合美容液 
 
 レチノール配合美容液は一般に市販されており,レチノールは肌に吸収される過程で,ごく一部がレチノイン酸として効果を発揮するため,レチノイン酸ほどの効果はありません。
 
 しかし,レチノイン酸の様な副作用も見られず,安心して使用でき,レチノイン酸と同様,コラーゲンを増加させ,シミを消し,シワを取る効果があります。

  




■ 肌のアンチエイジング対策 その5
  
ヒアルロン酸を使おう


 皮膚の真皮層はコラーゲンとエラスチンという繊維で構成され,その隙間には,肌の潤い,弾力,はりなどを保つヒアルロン酸があります。

 ヒアルロン酸はムコ多糖類の一種で,多量の水分と結合し,ゲル状となり,その保水機能で,正常な角質層を形成し,組織の維持や細菌などの異物の侵入を防いだりしています。

 ヒアルロン酸は保水力が高く,1gのヒアルロン酸で6Lもの水を保水することができるといわれています。

 人の体内のヒアルロン酸の約3分の1が,1日の間に代謝されて置き換えられていきます。

 このヒアルロン酸は胎児の時が体内に最も多く存在し,生まれ出ると同時に減少し続けます。

 加齢と共にヒアルロン酸は減少するため,水分が失われていく肌にヒアルロン酸を補う事により老化を抑制し,ハリや潤いを肌に与えることができます。
 

 
ヒアルロン酸サプリメント
 
 これまで,ヒアルロン酸は経口摂取しても,分子量が大きく,吸収されにくいため,効果は期待できないといわれてきましたが,低分子化したヒアルロン酸も販売されるようになりました。
 
 低分子化されたヒアルロン酸サプリメントはスムーズに消化吸収でき,体内で再合成され,高分子量のムコ多糖体となってその機能を発揮することが期待できます。

 ヒアルロン酸の体内での合成にはマグネシウムと亜鉛が必要です。これらのミネラルとの同時摂取も効果的ですが,これらのミネラルが過剰摂取にならないよう注意しましょう。

 サプリメントからの大量接種は体内合成力を逆に弱めることもあります。



 ● ヒアルロン酸美容液
 
 
ヒアルロン酸サプリメントには即効性が無く,その効果があらわれるまで時間がかかるというデメリットがあります。
 
 ヒアルロン酸美容液はその点即効性があり,早く効果を実感できます。

 やはりサプリメント同様低分子の方が浸透力も高く,保水性もすぐれているようです。






 肌のアンチエイジング対策 その6
   コラーゲンを摂取しよう


 コラーゲンはタンパク質の一種であり,人間の体の中にあるタンパク質の3分の1を占めています。

 コラーゲンは3本の鎖状の繊維がらせん状になった特殊な構造をしていて,バネのように伸び縮みするので,肌のツヤとハリが保たれるだけでなく,この繊維にリン酸とカルシウムが結合し,骨も構成しています。

 表皮の下の真皮の70%がコラーゲンです。コラーゲンが不足すると肌にハリや潤いがなくなり弾力性が失われてシワやたるみの原因となります。 

 体内で作られるコラーゲンの量は,20代より年齢とともに減少していきます。 

 コラーゲンは摂取しても,そのまま利用されるのではなく,アミノ酸にまで分解され,吸収されます。

 コラーゲンの主要構成要素にアミノ酸のプロリンがあり,コラーゲン摂取により,アミノ酸のプロリンがコラーゲンの合成や修復に役立つと考えられます。

 コラーゲンは骨に使われる分が一番多く,体に必要な部分から順番に使われ,肌にいくとは限らないため,継続しての摂取が必要です。

 コラーゲンはフカヒレや手羽先に多くふくまれますが,1日の所要量を満たすには手羽先で5本以上食べなければならず,サプリメントも必要であると思います。

 また,コラーゲンの生成には,ビタミンCが必要であり,効果を高めるためには同時に摂取することをおすすめします。





 
 肌のアンチエイジング対策 その7
    
亜鉛を摂取しよう


 
亜鉛は古い細胞を分解して,新しい細胞を合成するという新陳代謝を促進させるはたらきがあります。

 ある調査によると日本人の食生活ではこの亜鉛が日常的に不足していることが多いということです。 

 亜鉛は牛肉など肉類に多く含まれ,ヘルシーだと思いながら,野菜中心の食生活であると,亜鉛が多く摂取できず,さらに食物繊維によって亜鉛の吸収が妨げられるため,肌の老化をすすめることにもなりかねません。

 したがって,バランスのよい食事をこころがけるとともに,必要なら亜鉛サプリメントで補うという方法も必要です。

 ただし,亜鉛などのミネラルは水溶性ビタミンと異なり,体内に蓄積する性質を持ちます。

 亜鉛の大量摂取は肝臓をはじめ,各組識の銅や鉄分が減少し,貧血をおこしたり中毒症状を起こしたりしますので注意しましょう。

 亜鉛の体内吸収を助ける成分がクエン酸とビタミンCであり,これらを多く含むレモン汁などを,食品にかけて食べるという方法も効果的です。






 
 肌のアンチエイジング対策 その8
    
美容機器を使ってみよう

 
現在,肌の新陳代謝を活発にさせたり,肌の筋肉をひきしめたりするなどを目的とした,美容機器が販売されています。

 高価なものも多く,美容液のように試しに使用してみるというわけにはいきませんが,効果的と考えられる機器を紹介します


 ● 低周波美顔器
 
 国内ではまだ,機種も少ないようですが,低周波美顔器とは,よく肩こりとか筋肉のマッサージ器として利用されている低周波治療機と原理は同じで,周波数や強さなどを肌に適合するようにしたものです。

 
この機器では微弱な低周波電流を肌に通電し,肌の筋肉に収縮運動をさせ,引き締めることで,肌をリフトアップする効果があります。

 ただし,心臓疾患のある方や妊娠中の方,皮膚皮膚疾患などある方は使用しない方がよく,医師と相談しましょう。


 ● 超音波美顔器

 超音波は人間の耳に聞こえない高い周波数の音波で,これを肌に当てることで,細胞を振動させたり,熱を発生させるなどのマッサージ効果や温熱効果などにより,血流を改善し,細胞の活性化を狙ったものです。

 この原理により,肌の新陳代謝が促進され,肌の脂肪が燃焼しやすくなったり,肌にハリが出るなどの効果が見られます。
 

 ● イオン導入器

 イオン導入は,もとは医療現場で,注射を使わずに体内に薬を送り込む手法として発展してきた技術です。

 すなわち,水溶性の有効成分を肌の真皮までより効率的に浸透させる方法です。

 実際の方法として,専用の美容液を肌に塗布したあと,皮膚に微弱な電流を流すことで,水溶性の美容成分がイオン化し,皮膚の深部に効果的に導入されます。

 この方法で使用される美容液は,水溶性のもので,主にビタミンC誘導体などに用いられ,その浸透力は何倍にもなり,効果を発揮します。

 ただし,イオン導入できるタイプはリン酸型の誘導体など限られており,また,過剰なイオン導入は皮膚に水膨れや発疹,色素沈着などを生じさせることがあるので注意が必要です。

 したがってイオン導入電極は絶えず移動させる必要があり,0.5mA以下で使用し,長時間の使用は避けましょう。

 また,紫外線に当たる直前は過剰な導入は避けた方が良いでしょう 。




 肌のアンチエイジング対策 その9
   美容外科で最新治療を受けてみよう

 
これまで紹介した方法は,自宅で可能な方法ですが,ここでは美容外科の力をかりて,アンチエイジングを行う方法を紹介したいと思います。


 ● レーザー照射
 

シミ・ソバカス,老人性班
 レーザーはメラニン色素はレーザー光によって破壊されるので,簡単に治療ができます。また,老人性のシミ(老人班)にも有効で,肌へのダメージも少なく,安全な治療法です。
 
 シミの濃さや大きさによって照射回数は異なりますが,シミの種類によっては,レーザー治療に適さないものもあるので,医師に相談してください。

 レーザーによる肌の若返り
 以前には,肌のたるみなどはフェイスリフトという外科的な治療しかありませんでしたが,レーザー機器の進歩により,切らずに肌を若返らせるレーザー治療が可能になりました

 レーザーによる若返りの原理は,レーザーが皮下まで作用することでコラーゲンを増加させ,肌にハリををもたせることが可能になるというものです。

 この治療法の優れた点は,腫れも傷もできず,レーザーを照射した当日からメイクが可能であるということと,10分程度の短時間ですむということです。


 ● ヒアルロン酸注入
 

 ヒアルロン酸は,肌の保湿成分であり,はだの弾力を保ち,シワを防ぎます。

 このヒアルロン酸を皮下に直接注入することで,シワをなくし,肌に弾力を取り戻すことができます。

 副作用もほとんどなく,安全で手軽な治療法で,見た目にも自然に見えます。

 しかし,欠点としては,
ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分であるため,注入後,徐々に体内に吸収されていき,約1年程度で注入前の状態に戻ってしまうことです。


 ● ボトックス注入
 
 「ボトックス」とは,ボツリヌス菌という細菌から産生される神経毒素で,日本では1997年に眼瞼痙れんの治療薬として厚生省の認可を受けています。

 このボトックスを少量を注射することで,筋肉の収縮が弱まり,眉間のシワなど,表情のクセによるシワや小ジワをできにくくする効果があります。

 毒素と言っても安全な適切量だけを少量注入するので,シワ以外の部位への影響はない安全な治療法です。

 ただし,効果を持続させるためには,ある程度回数をおこなう必要があります。


 ● 金の糸療法(ゴールド・リインフォースメント)
 

 金の糸療法は「ゴールド・リインフォースメント」と言って,0.1ミリの24金の糸を顔や首など皮膚の真皮層に埋め込む治療法です。

 皮膚の下3〜5ミリの真皮層に金の糸を格子状に金網のような形状で埋め込みます。

 術後1か月ぐらいから,埋め込まれた金の糸の周りにコラーゲンが集まり新しい毛細血管が生まれ,肌の細胞が再生することで,肌の弾力がもどり,シワ・たるみが減少します。

 この治療法のメリットはメスを使わないため,傷も残らず,施術自体も短時間が短時間ですみ,アレルギー反応などもほとんど見られないということです。

 この金の糸療法は施術後はそのままにしておくだけで,何年も効果が持続する究極のアンチエイジング治療と言えます。





 肌のアンチエイジング対策 その10
  
ホルモン補充方法もあります

 前にもお話したように,私たちの体から分泌されるホルモンには,細胞を若返らせ,肌にハリやみずみずしさを保つ効果があります。

 特に成長ホルモンやDHEA,メラトニンなどのホルモンは加齢と共に減少するため,これらのホルモンを補充することは,若返りに大きな効果があります。

 しかし,ここで注意しなければならないことは,その安全性です。スポーツ界でステロイド剤(ホルモン剤)の使用が禁止されているのも,単に公平性を欠くという面からだけでなく,ステロイド剤の使用により,身体が深刻なダメージを受けることがあるからです。

 また,ホルモン剤を外部から補充するということは,人体がホルモンを分泌しなくなってしまう可能性もあり,そのホルモン剤の投与は医師の指導のもと慎重に行われる必要があります。

 ホルモン補充療法に関して詳しくお知りになりたい方ははこのHPのアンチエイジング・ホルモン補充療法のページをご覧ください。


 ●
 成長ホルモン補充療法

 
   
投与方法 注射または舌下投与
効果 視力強化,筋肉量増大,脂肪分減少,皮膚弾力性増加,シワ減少,運動能力向上,消化機能改善,知力・記憶力向上,ボケ防止,胸腺の拡大と免疫力向上,老人の体重増加,肝臓・腎臓・脾臓の再生,コレステロール値の正常化,髪やつめの若返りなど
副作用 むくみ,手根管症候群,高血圧,高血糖

 このようにしてみると「成長ホルモン恐るべし。」と言えるでしょうか。

 この成長ホルモンによる若返り効果の論文が初めて公表された時,世界中に衝撃が走ったという話はよくわかります。

 研究報告では,1週間に2日ほど続けて成長ホルモンの投与を中止することで,身体からの成長ホルモンの低下は防げるとされています。

 すでに小人症の治療として20年間投与されていますが,発がん率の増加は見られていないということです。

 しかし,アンチエイジングの治療として投与された高齢者の発がん率は,投与期間が短く,検証できていません。

 また,この成長ホルモンは遺伝子組み換え技術により製造され,標準的な治療では,年間数百万円もかかります。

 舌下スプレー投与は,それよりも費用はかからないといっても2ヶ月分で安くても約6万円ほどかかるようです。

 このようなことから,現時点では,ホルモン投与をおこなうより,成長ホルモンのもとになるアルギニンを含むサプリメント摂取などにより,自己の身体からの分泌を促した方が,安全でメリットが多いと言えます。


 ● DHEAホルモン補充療法
  
 DHEAは老化防止ホルモン(DHEA=Dehydroepiandrosterone)と言われ体内の副腎皮質でつくられ,一部は男性ホルモンまたは女性ホルモンに変換されます。

 血管抗老化作用のほか筋肉の強化,脂肪の燃焼,がんやアルツハイマー型認知症の抑制,免疫力の強化,糖尿病の予防,性欲の亢進といった作用が指摘されています。


 DHEAは現在のところ副作用がほとんど報告されていないため,アメリカではサプリメントとして報告されており,日本でもホームページなどを通して,個人輸入することができます。

 しかし,個人で判断し,摂取する場合は危険がともなうので,医師と相談した上で,摂取しましょう。

 また,ホルモンはがんの種類によっては,がんを増長させるプロモーターとして働く場合があり,前立腺がん患者や乳がん患者は投与はしない方がよいでしょう。


 メラトニンホルモン補充療法
 
 メラトニンは日が暮れると分泌が盛んになり,日が昇る時間帯には減少するという性質があります。

 メラトニンは眠りをコントロールするホルモンと言われ,年をとると眠りが浅くなり,朝早く目覚めてしまうというのも,加齢にともないこのメラトニンの分泌量が低下してしまうからです。

 メラトニン補充は,寝つきをよくし,深い睡眠が得られるようになります。深く眠ることで,成長ホルモンの分泌を促すアンチエイジング効果もあります。 

 また,メラトニンは睡眠にかかわるだけでなく,強力な抗酸化作用を持ち,悪玉コレステロールの上昇を抑えます。

 メラトニンはこの他にも免疫力を高め,がん抑制効果もあります。 また,ストレスを和らげる効果があります
 

 欧米では不眠や時差ぼけの改善にサプリメントとして使用され,副作用も少なく,個人でも輸入できますが,このホルモンは適量の個人差が大きく,服用するなら医師に相談したほうがよいでしょう。

 
 ● 女性ホルモン補充療法
 
 卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)加齢と共に減少します。

 男性ホルモンの分泌がゆるやかなカーブを描いて減少するのに対し,女性ホルモンは50歳ぐらいから急激に減少するという特徴があります。

 したがってこの時期に,頭痛,倦怠感,顔のほてり,肩こり,腰痛,動悸,不眠などの更年期障害と呼ばれる症状が見られます。

 この更年期障害の治療に女性ホルモン補充療法はきわめて有効な治療法と言われています。

 また,骨粗鬆症の治療法としても,エストロゲン投与は有効ですが,エストロゲンの単独投与では子宮体がんの発症率が高くなるという報告があり,現在ではエストロゲンとプロゲステロン併用療法が主流です。

 しかし,この併用療法でも,長期にわたると乳がんや脳梗塞,静脈血栓症,心筋梗塞などが増加すると言われています。

 ホルモン補充療法を行うには婦人科診察が必須であり,慎重におこなわれるべきです。 


 ● 男性ホルモン補充療法
 
 男性ホルモンは女性ホルモンと異なり,30歳をすぎてからゆるやかに低下していきます。

 このため,女性のようなはっきりとした更年期障害は自覚しにくいのですが,このホルモンの減少による男性の更年期障害も発症すると言われています。

 男性の更年期障害でではうつや神経過敏,不安などの精神・神経症状,発汗やほてり,睡眠障害などの身体症状,性欲低下,勃起障害など性機能に関する症状が見られます。

 男性ホルモンを補充することで,これらの症状が改善するとともに,筋肉量や筋力の増加という効果もあります。

 しかし,前立腺がんにおいては,それを増長させるプロモーターとしての働きもあり,そのほか,多血症,血栓症,肝障害が見られることがあり,この補充療法も専門の機関で,検査や観察を行いながら慎重に投与されるべきです。