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ホルモンはアンチエイジングの要 |
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アンチエイジングに関係するホルモンにはどのようなものがありますか? |
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人の体内には100種類以上のホルモンが存在しているといわれていますが,物質として不安定なものもあり,未解明のものもあります。ヒト成長ホルモンが身体の成長だけでなく,その細胞増殖効果により,若返り効果があると発見されたのはごく最近のことです。
現在,アンチエイジングに効果のあるホルモンとして認められているものには,HGH(ヒト成長ホルモン),DHEA(デヒドロエピアンドロステロン),メラトニン,エストロゲン,プロゲステロン(黄体ホルモン),テストステロン,甲状腺ホルモンがあります。
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● HGH(ヒト成長ホルモン)
HGHは脳下垂体から分泌されるホルモンで,成長期に身体の成長を促すホルモンです。このヒト成長ホルモンの刺激により,IGF−1(インスリン様成長因子−1)と呼ばれる成長因子が肝臓で分泌されます。 そしてHGHと共に組織,骨,筋肉,皮膚などの成長を促します。
このHGHは身体の成長が止まった後も一生分泌が続きます。 しかし,この分泌は30才を過ぎたころから低下が見られ,それにともなって身体の機能も低下していきます。
このHGHは細胞間でタンパク質の基となるアミノ酸の受け渡しや取り込みを促進するはたらきがあり,細胞増殖には欠かせないホルモンです。
このホルモンはアンチエイジング効果の大きなホルモンでもあり,このホルモンが減少すると以下のような老化症状が見られます。
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・活力の低下 |
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・精力の低下 |
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・精神的鋭敏さの低下 |
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・骨粗鬆症の発症 |
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・皮膚の老化 |
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・視覚能力の低下 |
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1986年には「ヒューマントロープ」と呼ばれる人工のヒト成長ホルモンが開発され,医療目的での使用が認可されました。
そして1990年アメリカのダニエル・ルドマン博士が行ったHGH投与の研究の成果は世界中に衝撃を与えました。
ルドマン博士は61才〜81才までの健康な男性12人を対象に,HGHを投与するという研究を行いました。 その結果は,身体の多くの部位に若返り効果が見られるという驚異的なものでした。
たとえば運動をしなくとも筋肉質量が8.8%増加したり,ダイエットをしないにもかかわらず,体脂肪が14.4%も減少していたのです。
その他に被験者に見られた効果としては以下のようなものがありました。
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・活力の増進 |
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・性的衝動の増進 |
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・主要臓器の活性化 |
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・毛髪の再生 |
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・視力の回復 |
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・視覚能力の低下 |
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・傷の再生速度増加 |
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・不眠の解消 |
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・シミ,シワの減少 |
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・皮膚の弾力回復 |
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・記憶力の向上 |
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・コレステロール値下 |
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ルドマン博士は,「この治療法により人の老化を少なくとも10年から20年は逆転できた。」と報告しています。
この様な成果を踏まえ,現在アンチエイジングにHGHを投与するホルモン補充療法が行われるようになりました。
● HGH(ヒト成長ホルモン)のホルモン補充療法
このHGH補充療法はアメリカで盛んに行われており,月に10万〜20万円もの費用をかけている人もいます。
しかし,現在ではその副作用も大きな問題となっています。
ルドマン博士以降,彼の成果を検証する研究が行われた結果,多くの副作用のリスクが高まるという報告がされています。
ルドマン博士が投与実験を行ったのは6ヶ月であり,より長期にわたると副作用が強く出ることがわかりました。
米メディカルセンターのハウ・リウ(Hau・Liu)博士はその後の研究により,高齢者に対するアンチエイジング効果はわずかであり,従来想定されている副作用よりはるかに大きな副作用が見られ,HGH投与はアンチエイジング医療としては推奨できないと言っています。
その副作用とは浮腫(むくみ)や関節痛,筋肉痛などが多く,その他にも,頭痛,耳鳴り,手のこわばり,手根幹症候群,血圧上昇,心房細動,女性化乳房などが報告されています。
また,がん細胞の増殖を促進する可能性も指摘されており,安易なHGH投与はリスクがともなうということを理解しておくべきでしょう。
● HGH(ヒト成長ホルモン)のホルモン低下を防ぐには
既に述べたようにホルモンを補充するという方法はには大きなリスクがともないますが,自分の体から自然に分泌されれば,リスクもなくアンチエイジング効果が期待できます。
自分の体から自然に増加させるには以下の方法があります。
・筋力トレーニングなど高負荷をかけたトレーニング |
・加圧トレーニング |
・睡眠を十分にとる |
・蛋白質やアミノ酸,特にアルギニンを十分にとる |
1991年にペンシルベニア州立大学のウィリアム・クラマ博士らが行った実験で,ウェイトトレーニングが成長ホルモンの分泌を促進させることがわかりました。
また,日本で開発された加圧トレーニングは血管に圧力をかけてトレーニングを行うことで,通常のトレーニングの何倍もの成長ホルモンが分泌されることがわかりました。
成長ホルモンは多くが,睡眠中に分泌されるため,十分な睡眠時間を確保することはとても重要です。
また,アルギニンをとることで,成長ホルモンの分泌量が増加します。
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● DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)
DHEAは様々なホルモンの源でもあり,「ホルモンの母」とも呼ばれ,コレステロールを原料として副腎でつくられています。
このDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)をもとに,テストステロン,エストロゲン,プロゲステロンなどの各種の性ホルモンがつくられます。
さらに副腎皮質ホルモンであるコルチコステロンの生成にも使われる他にも,DHEAからは50種類以上のホルモンがつくられています。
これらのホルモンは健康の維持,脂肪の燃焼,筋肉の維性ホルモンの安定的な維持,老化防止,ミネラルバランスの維持といった重要な働きをするホルモンです。
また,DHEAは万能とも呼べる作用を持っているだけでなく,男性ホルモン様作用をも持っています。
さらにDHEAは体内のストレスホルモンといわれるコルチゾールを緩和する作用を持ち,コルチゾールの細胞異化作用(破壊作用)に対して,細胞同化作用(増殖作用)を発揮します。
このようにDHEAは男性ホルモン様作用や細胞同化作用により体の筋肉を増やし,脂肪を減らします。
また,抗糖尿病作用の他に免疫力を高める作用,抗腫瘍作用も明らかになっています。
DHEAはまとめると以下の機能があります。
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・免疫力増進 |
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・筋肉量増加 |
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・骨密度の増大 |
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・性ホルモン増加 |
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・インスリン抵抗性改善 |
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・成長ホルモン分泌増加 |
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・精力増強 |
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・美肌効果 |
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・快眠効果 |
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・コレステロール低下 |
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・ストレスホルモンの作用緩和 |
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・抗腫瘍効果 |
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DHEAの分泌は加齢とともに減少し,20〜25歳がピークであり,40代で約50%,60代では30%,80代では1O〜20%に低下し、90代ではほとんどなくなってしまいます。
DHEAが減少すると,意欲と性欲の低下が起こり,筋力も衰えます。さらには肥満,糖尿病,ある種のがん,自己免疫疾患などさまざまな病気が起こりやすくなります。
また,近年の研究により,血液中のDHEA値が高い人は低い人より長寿の傾向であることがわかりました。さらに有酸素運動によりDHEAの分泌が増えることも解明されています。
以上のようにDHEAは多くの機能を持ち,さまざまな生活習慣病に対抗するホルモンでもあり,アンチエイジングには欠かせないホルモンです。
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